振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

出願枠は本人任せにしない

医学部の特徴として、一般枠の他に、地域枠、診療科枠、研究枠などのバリエーションがあります。


しかも、こういった特別枠は大学によって趣が異なりますし、同じ大学でも年によって変更があります。


例えば地域枠。

医師になった後、一定年数を一定の地域で従事する、というものですが、大学によって年数が違いますし、地域についても差があります。

過疎地がある県と、ない県とでも随分趣が異なります。


診療科枠や研究枠を選択すると、将来の進路が随分狭められます。



これらの問題を本人だけに考えさせるのは少々酷な気がしますし、社会経験がない受験生がベストの選択をしうるとも思えません。


もっというと、最後はお金の問題になることもあるわけです。

例えば、各指定に従わない場合は学費返還、奨学金返還といった実質的なペナルティが課されますが、事の是非(約束破りの是非)はともかくとして、その程度によっては親が援助してあげられることもあります。


親が関わることによって思わぬ選択肢が増えることがありますし、よりベターな選択ができることがあります。

何よりも受験生の迷いを少なくできます。


そうそう、親が迷いの深みに入ってしまってはダメですよ。

親の失敗①

息子が受験生の時、親として数々の失敗をやらかしました。

なかにはお恥ずかしい話もありますが、他山の石ということで、ボチボチとご紹介していきます。



受験校を全て決めた後そこそこ経ってから、息子が考えている学校より、ほどほどに難易度が低く、ほどほどに学費が高い大学の受験を提案してみました。

高3の11月頃だったでしょうか。



多少学費が高くなってもお父さんが何とかするよと、一応息子のために熟慮した父親を演じていましたが、結局のところは、親自身が全落ちの恐怖から逃れたかっただけなのかもしれません。


息子からは却下されましたが、これで息子のテンションを落としたんじゃないかと思います。


不用意な言葉は慎まなければならないですよね。

戦略的な提案であれば別に問題ありませんが、あのときは私自身が弱気になっていました。

いくら鈍感な息子でも父親の弱気に気づかないはずがないですよね。


これ以降は、流石に私も受験校の選択でぶれることはありませんでした。

幸いにして、息子はもっとぶれていませんでしたが。

本当は試験が苦手だった

本日の昼頃、2週間ほど先の会食の打ち合わせのために息子に電話したときのこと。


「お母さん、○○の試験受けるのに四苦八苦していたよ。試験準備のコツとかを今度教えてあげたら。」

と言ったところ。


「僕も試験は苦手だからなあ。」

とのこと。



ちょっと意外でした。

頭はよくなくても、試験は割りと得意だという認識が息子本人にあると思っていたのです。


この辺りの自己評価の高低は、その人の性格にもよるのかも知れませんが。


頭は今一、試験運も、対策術も今一だったとすると、一体何がよかったのか。


家内に聞いてみると、「さあ、わかんない。」とさっぱりした回答でした。