振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

子供に対するハードルの低さ

私の家内は息子に対するハードルが結構低かったと思います。

今でも随分低いような気がします。


期待値が低ければ、息子本人によからぬプレッシャーがかからなくていいとも言えるのですが、それにしても低い。


では、私はと言うと、これはわざと低くしていました。

その理由は中学受験の際の私の失敗が起因しています。


よくわからない中学受験を迎えたとき、浮わついてしまった私は、息子に妙な期待をかけてしまいました。


あれはよくなかったなあ、と今でも反省しています。


ということで、中高時代の息子にはあまり期待をしていませんでした。

わざとのことです。


運動と芸術系については手放しで喜ぶ場面が多かったような気がしますが、勉強については、少なくとも高3秋までは、「やっぱりこんなものかなあ。」といった感じでした。


息子の医学部合格を信じることなど到底できませんでした。


ただ、私にとっては、実は信じられなくても別によかったのです。

本人が思うように生きて欲しいと念願していましたので、合格できなくてもいいから応援してあげたいと思っていました。


もし、チャレンジしてもチャレンジしてもハードルを超えられない場合は、撤退方法について冷静にアドバイスしてあげようと腹を括っていました。


根拠なく信じることは無理ですが、何がなんでも応援してやろうと思うことは簡単です。

だって、大切な子供のことですからね。


無理に親としての感情を押し殺さず、できることをやりましょう!

ただし、子供に役立たない言葉は飲み込むことです。吐けば後悔します。

子供が独り立ちしたのちのこと~父兄対象記事

今回の記事は、受験生には全く役立ちません。


子供さんが医学部に進学し、親として一段落も二段落もついた方、あるいは、来年こそ一段落つく親御さん向けの記事です。

受験生の方は時間がもったいないので読み飛ばしてください。



中学受験は親子のビッグイベントでしたが、大学受験もそれなりのイベントです。

特に後者の場合は、親にとっては最終イベントに近いですよね。



さてさて、親にとって最終イベントとなると、子供が進学した後親はどんな気持ちになるんだろうかと、少しばかり心配してしまいました。


まあ、さほどの喪失感はなく、ゆったりした気持ちでこのブログをしたため、他に自分が注力したい分野に移行しています。

何よりも、私自身は、仕事でもうひと花咲かせようとの意欲が生まれ、事業の拡大にチャレンジ中です。



私の家内は、息子が進学したのを契機に、休止していた習い事を再開し、少しばかり趣味的なアルバイトを始め、さらに大学に通い始めました。


これは趣味的感覚をある程度満たしながら、実利もある資格を取りたいとのことです。


最近の家内の諸活動に対して私としては何の異存もありません。

だって、息子のためにこれまでどれだけ頑張ってくれたことか。

本当に感謝しています。



私たち夫婦にとって、息子の大学受験は一つのゴールでしたが、すぐに次のフェーズがスタートしました。


確かにそれなりの結果を息子は出してくれました。

ただ、それだけのことではなく、大学受験を通じて最後の密な親子関係を十分満喫できたことによって、親子とも別々の道を気持ちよく歩めるようになりました。


息子にとっては大学受験が入学試験であり、親にとっては息子の大学受験が親業の卒業試験みたいなものですね。


親業の卒業試験でほどほどの成績を修めることができると、その後の緩やかな親子間系にいい影響を与えてくれるような気がします。



受験生を持つ保護者の皆さん、子供のためだけでなく、自分たちのためにも精一杯サポートしてあげましょう!

医学部は入ってからが大変と言うけれど

医学部に進学するための受験勉強はなかなか大変ですが、実は医学部に入ってからの勉強の方が大変なようです。

これは、巷でもよく言われていることですね。



大変な受験勉強を経てやっと合格したのに、大学に入ってからがもっと大変だとすると、受験生にとってはモチベーションが上がらないように思います。



息子の状況を見ていると、確かに大変そうだなとは思います。

しかし、かわいそうだなとか、やりたいこともできなくてといった同情を感じることはありません。

受験時代とは全く異なります。



なぜなのかとあれこれと考えてみました。


まず、息子本人が、忙しそうにしているものの受験時代とは違って、むしろ充実感を漂わせた顔をしているからです。


元々愚痴や不満を口にする方ではありませんでしたが、それにしても大学生活について文句を言うところを見かけたことがありません。



受験勉強は、医学部に進学するために避けて通れない関門ですが、受験勉強をしたことが、医学の勉強に生きるということは少ないと思います。


対して医学部の勉強のうちかなりの部分が今後に役立ちます。

医学部に入るために必要な勉強と医師になるために必要な勉強とでは、やっていて当然のことながら充実度が異なるのでしょう。


大学に入ったら遊びたいと考えている受験生には医学部は向きませんが、大学に入ったら医師になるために頑張りたいと思っている受験生にはまさに充実した生活だと思います。