振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

センターはどうしても90%必要か

国立医学部合格のためには、センターで90%取る必要があるとか、90%近く取る必要があると、よく言われますね。


でも、これはちょっとハードルをあげ過ぎており、受験生を萎縮させることに繋がるのではないかと思います。


難問を解かなければならないというプレッシャーと失点が許されないというプレッシャーとでは質が随分違うように思います。


優しいところでは、85%程度でも結構合格しています。


確かに難関校の場合は、90%以上取った合格者が結構いますが、90%を切った合格者もそこそこいます。


難関校の場合は、2次の配点が高いところが多いので、88%程度でも十分戦えるように思います。


但し、これには条件があります。

数学や物理といった2次で差がつきやすい科目が得意な受験生の場合ですね。


こういう受験生がセンターで90%に届かないのは、文系科目で落としていることが多いです。

文系科目はなかなか伸びません。また、やっている時間もそれほどありません。


特に2次試験にはない科目のセンターの得点をあげることに注力するより、英数理の2次力をつけた方がいいと思います。



逆に、数理で失点しているものの文系科目で稼いで90%を超えている人は、2次の数理で大量失点ということがありますから、気をつける必要がありますね。



いずれにしろ、センターで余り萎縮しない方が好結果が生まれるような気がします。


我が息子の場合も、90%取らなければというプレッシャーのため、本来得点源である理科2科目の点数が伸び悩んだように思います。


目標が高いことはいいこと、とばかりは言えませんね。

早めに受験校が決まっていると楽なこと~大学別対策

受験校が決まった場合に、入試対策を練るとすると、もっともオーソドックスなのが過去問解きですよね。


かなりの校数を受ける場合でも、夏から始めれば十分でしょう。


ところが、より密な対策を練るとすると、早めに受験校の過去問の特徴を把握できていた方がいいですね。


各大学の出題傾向というと、頻出の分野、出題形式、問題量と試験時間の関係等があります。

出題傾向がつかめていると、普段の勉強の際にも意識できますものね。


例えば英語一つ取っても、どの程度の長文が出るかわかっていれば、長文問題集の選択に活きます。

500語と1000語ではずいぶん違います。


数学であれば、立体図形が頻出であれば、念入りに発展問題まで押さえておきたい。


出題傾向がつかめていれば、似たような傾向の他大学の過去問も利用できます。早めに赤本の調達もできます。


息子の場合、合格した大学の対策はかなり濃いものがありました。

特に第一志望校については、あれ以上できないというぐらいやっていましたね。


まさかの合格は、これでもかというぐらいの厚い過去問対策の成果でもあったのでしょう。


特に苦手の英語が本番でだけできたのは、過去問と類似問題を解きまくったからですね。


過去問対策は出題形式に慣れるだけでなく、普段の勉強にどれだけ活かせるかがポイントだと思います。

志望校の出題傾向を意識した日々の勉強という意味です。

その意味では、受験校が早めに決まっていると、物凄く楽です。


受験で勉強することのかなりの部分は、大学に入ったあと必要とされません。

従って、王道ではなく、合格への最短距離、合格可能性が高まる戦略・戦術を採用するべきでしょうね。

早めに受験校が決まっていると楽なこと~宿の手配

近場での受験であれば宿の手配は必要ありませんが、遠方受験の場合や、乗り換えが多くて公共交通機関の遅延のおそれが高い場合は宿を取ることになります。


多くのホテルは3か月前から予約開始でしょうから、10月位からの準備で間に合います。

ただ、できるだけ環境のいいホテルを取ってあげたいとか、ホテルが少ない地域の場合、あるいは、同日入試の学校(大学に限らない)が多いエリアの場合は、もっと早めに予約しておく手があります。


6か月前から予約できるところもありますね。

中にはかなりリーズナブルな早割が効くところがあります。


受験するかどうかはっきりしていないのに、やたらと予約するのはどうかと思いますが、決まっているのであれば、誰に迷惑をかけることもなく安心して予約できます。


これも受験校が早めに決まっていることのメリットですね。