振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

息子が中学受験で第一志望に合格できなかったときのこと

(少し書き足しました。)


息子の母校となった中学の合格発表を見に行ったときのこと。


高々と掲げられた掲示板を見て、涙が止まらなくなりました。
いつの間にか掲示板の受験番号が見えなくなってしまいました。


あのとき涙が止まらなくなってしまったのは、どうしてでしょう。


息子が合格したのは確かに嬉しかったです。
ただ、この学校は第一志望校ではありませんでした。


それでも嬉し涙が止まらなかったのは、きっと、最後まで諦めなかった息子の頑張りに心打たれたのだと思います。
嬉し涙をあんなに流したのは、息子の大学受験の際に第一志望校に合格して家内と抱き合って喜んだときと、このときだけです。



中学受験で、第一志望校の発表を見て自分の番号がないとわかったときの息子の表情は一生忘れられません。
私も家内も何と声をかけていいのかわかりませんでした。
中学受験をさせたことすら一瞬後悔したものです。


その日は3人とも体に全く力が入らず、家で川の字になって3人でふて寝をしてしまいました。苦笑


既に合格していた別の中学はあったものの、もうひと頑張りするように息子に言いました。
最初は乗り気ではなかった息子ですが、私の励ましに応じ、
「最後まで頑張る!」
と宣言しました。


そして合格したのが息子の母校です。


長い間思い続けた第一志望校に合格できず、小さいながら人生で最初とも言える挫折を味わい、私にしがみついて泣いていた息子でしたが、最後まで頑張りました。


そんな息子の頑張りに私は感動し、合格発表の掲示板を見て涙が止まらなかったのでしょう。



すぐに別の中学校で待機していた家内に連絡し、その中学校に入学金を支払わないように指示しました。



家内と共に自宅に戻った私は、一刻も早く息子に朗報を伝えたくて、小学校からの岐路、途中まで息子を迎えに行きました。


いつまで待っても帰ってこない息子が少々心配になったものの、諦めて家に帰りました。


後で聞いた話では、志望校に中々合格できなかった友達がお母さんから合格したとの電話連絡をもらい、喜ぶ友達と一緒になって自分も嬉しくなってしまい、友達の家まで「よかったね、よかったね。」と言いながら一緒に帰ったというのです。


息子らしいなと、そのときは苦笑いをしてしまいました。
その友達は今では学生スポーツの世界で結構頑張っているようです。



さて。
母校に入学した息子は本当に楽しそうに6年間通い、多くの友達に恵まれ、体力もつき、ほとんど皆勤で、ぱっとしなかった勉強もそれなりにできるようになり、今でも母校を愛し、多くの友達とお付き合いしています。後輩にも慕われていることは言うまでもありません。



田舎の高校で腐ったような生活をしていた私とは大きな違いです。苦笑



第一志望校に合格できなかった息子がこんなにも素敵な中高の学生生活を送ることができたのは、一つには、本人の努力と割り切りであり、一つには、多くの挫折した入学生を迎え暖かく指導することに長けた母校の先生方のお蔭であり、最後に私たち夫婦の頑張りも少しはあったろうと思います。


私たち夫婦は、第一志望校の合格発表の翌日には立ち直り、その後は前向きに息子の応援をすることができました。


母校に入学してからも、体育祭、文化祭、授業参観等のイベントに欠かさず参加し、
「いい学校に入ったよね。」
と、心の底から息子にいい続けていました。


息子に自己肯定感が生まれないはずがありません。


親が引きずっている限り、子供が引きずらないはずがありません。
子供が引きずったとすると、それは、お父さん、お母さん、あなた方の責任です。


是非子供さんを支えてあげてください。
子供さんの人生はまだまだ長いのです。



中学受験を終え、残念だった親御さん達に対して、私の心からのメッセージを送ります。