振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

医学部受験に向いた性格~息子の場合

息子が医学部に合格した要因を考えてみました。


息子の場合頭はそんなによくないと思います。
ですから、東大の非医を受験したとするとそれなりに苦労しただろうと思います。


頭のよさという意味では誰でも東大を目指すことはできないと思います。


ところが、医学部の場合は、国立であっても私立であっても、ある程度努力をして積み上げて行けばいい線まで行けるのではないかと思っています。
但し、医学部を目指すには頭のよさ以外の要素というか性格のようなものが必要な気がします。


まず、努力と言っても1、2年間努力をした程度では難しかろうと思います。
高校生であれば、高1、高2の時期にしっかりと高校の勉強をこなし、ラスト1年でスパートをかければ間に合うのではないでしょうか。


それから努力にも「質」があります。
ガリガリと一気に進めるような努力ではなく、コツコツと積み上げて行く努力です。
ガリガリやってもその後低調な時期が続くと、元に戻ってしまいます。
波が大きい勉強の進め方は意外と力がつかないということです。
ある程度ストイックにコツコツとやる必要がありますね。


その点息子の場合は、勉強の波は少ない方でした。
ガリガリとやらない代わりに、スランプといったものも少なかったように思います。
本人に言わせれば、一応スランプはあったとのことですが、それで勉強のペースを落とすということはありませんでした。
ですから、「今日は全然勉強しなかった。」といった後悔がないわけですね。
後悔がないので次にも進みやすくなります。


それから思い当たる節としては、標準的な問題は落とさないという傾向がありました。
ここでいう標準的というのは、難易度の点だけでなく、典型問題か非典型問題かという点からも「標準的」であるということです。


標準的な問題でミスなく点を取り、難問で部分点を取る。
こういうパターンの受験生の場合は、安定して高得点が取れます。
東大の問題を解いたら50%の得点率は望めなくても、平均的な医学部ですと70%~80%程度取れることはままあります。


では標準的な問題を落とさないようにするためにはどうすればいいか。
これも受験生本人の性格に大きく関わってくると思うのです。


息子の場合、自分がミスした問題に対しては謙虚に取り組んでいました。
2度と同じ間違いを起こさないというスタンスです。
模試を始めとした復習にある程度時間をかけじっくりとやっていたことからそのことは伺えます。


それから、新しい問題集に次から次と手を出すということはありませんでした。かなり反復練習をしてから次の問題集に進んでいました。


同じことの繰り返しが苦手で、だけれど、センスはある、という人は医学部より東大、京大の非医の方が向いているのかもしれません。これは私の勝手な印象ですが。


ここまで見てくると、非医の難関大学に合格するタイプと、医学部に合格するタイプはある程度違うように思います。
どちらが凄いかという比較ではなく、向き不向きがあるように思うのです。


医学部受験に向いている人は、医者にも向いていそうな気がしますが、こんな風に思うのは私だけでしょうかね。