振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

息子の受験で辛かったこと

このテーマですぐに思い出すのは、順天堂の一般入試一次試験の朝のことです。


センター試験後初の入試。

私立医学部の連戦の初戦です。


センター試験のできが「今二つ」であった息子。

なんとか順天堂の合格を勝ち取りたかった。


順天堂については、センター利用、一般・センター併用も出願していましたが、この時点ですでに不合格を確信していました。

あのセンターの出来では。


一般入試にも不安がありました。

順天堂の配点は、英200数100理200と得意な数学の配点が少なかったのです。

また、息子が苦手にしていた英語の難易度が割りと高い。


そんな順天堂一次の朝、前泊したホテルのレストランでのこと。


息子は全くといったいいほど、食事が喉に通りませんでした。

摂取できたのはオレンジジュースのみ。


顔色も悪い。下を見ているばかり。


息子の顔を見ていて私の心も締め付けられるようでした。

なんと声をかければいいのかもわかりません。


息子にとっても私にとっても最大のピンチです。


そのとき私が息子にどんな言葉をかけたのかさえはっきりとは覚えていません。

私も必死だったと思います。


慌てずゆっくりとした口調で息子に語りかけたことだけは覚えています。


お昼ご飯とは別に念のためカロリーメイトを持たせました。


試験会場である幕張メッセの中まで送り届け、黙って息子の肩に手を置きました。


会場に吸い込まれるようにして息子が私の元から離れていきました。

一度も振り返らない息子の背中を暫く見つめていました。


息子の大学受験において一番辛い思いをしたのはあの時のことです。


今思い出してもこのスマホの画面が見えにくくなってしまいそうです。


どうして息子はこんなに難しいことへのチャレンジを決めたのでしょうか。

頑張っても頑張っても届くかどうか、なんの保証もないチャレンジを決めたのでしょうか。


高一のとき、医学部に行きたいと言い出した息子に対して、少し嬉しい気持ちと共に、強く大きな漠然とした不安を感じました。


あの時の息子の成績なら止めるべきだったのかもしれません。

止めなかった責任は自分にもあると思います。いや、親にこそあるのかもしれません。


この時感じた不安が、いよいよ入試本番で発現してしまったように思いました。



このテーマ続けようと思います