振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

大学選びのための比較と趣味的比較

志望校である医学部を選ぶ基準について、ブログやその他ネットで様々なことが書かれていますし、情報も掲載されています。



中学受験での志望校選びで一番重要なことは、その学校に子供が通う姿がイメージできるか、言い換えれば、子供に合った中学かどうかでした。


大学受験、特に医学部では、好みに合うかどうか程度は考えるでしょうが、それほど重要視しないと思います。



志望エリアが全国に広がるものの、やはり、自宅からの距離や一人暮らしの要否は考えますね。

将来の進路を考えるために、大学のカラーや実力は無視しがたいところです。


国立・私立の別や、私立の中での学費の違いも考えます。


難易度や過去問との相性も重要です。

試験スケジュールも無視できません。



こういった様々な情報を入手する過程でよく見かけるようになったのが、地域の国立大学と都市部の私立大学の比較論です。


「地方の国立大学(特に歴史の浅い利便性の悪い大学)に行くなら、私立でも都市部の大学に行った方がいい。」といった議論ですね。もちろん、この逆も同じように言われています。


最初は、そういう比較もあるんだなと思っていましたが、どちらが難易度が高いかという議論が盛んに行われているのを見ると、必ずしも受験校選択のための議論に留まっていないことに気がつきました。

どうやら、どちらが難しいかのランク付けが主たる目的のようです。



同じことが、もっと如実に出ているのが、東大理1・2と国立医学部のどちらが難しいかという比較論です。


そもそも、受験科目がかなり違うのになあ、と思っていたら、私立医学部と東大の難易度を比較しているものまで発見してしまいました。

こういった比較にどのような意味があるんでしょうね。

それなりに精緻に議論しておられるだけに余計疑問です。

面白いと言えば面白いのですが・・・


全く志望校選びに寄与しない、しかも答えは絶対にないと言っても過言でない議論ですから、これはもう完全に趣味の世界ですね。



受験生も親も、今すべき意味のある比較に留めておくべきですね。

大学に入ってから「趣味的作業」を行うことは別に問題はないと思いますが。