振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

進路と進学に対する価値観

昨日は三連休の最後の日でしたが、オフィスに出ていました。
どうしても引き受けなければならないということはなかったのですが、ついつい勢いで講演の講師を引き受けてしまったのです。


100名余りの参加者ですが、全国からやる気が半端のない人びとが集まりますので、こちらも力を入れざるを得ません。


原稿作りに1日費やしてしまいました。苦笑


家内が息子のところへ行っていたらしいので、一人で夕食を取ることになりました。



さて。今回のテーマについて。


私、家内、息子を比較すると、進路や進学に対する価値観、好みといったものが随分異なっているように思います。


私自身は、憧れる難関大学の入試を血の滲むような努力をして突破したい、というタイプです。
大学を出た後も困難を克服しながら新しい道を切り拓いて行くのをよしとしています。
タテ系の出世には興味はありませんが、仕事や人間としての付き合い・活動を限りなく拡げて行きたいという思いがあります。


ただ、仕事の対価として得られるお金に対する頓着はあまりありません。
講演料や印税が少なくても気になりません。



家内は少々天然でして、芸術系です。
価値観が多少一般の皆さんと違います。
例えば、息子をいい中学に進学させたいとか、いい大学に進学させたいといった思いはほとんどなかったのではないかと思います。


「息子に美人で君に優しい奥さんが来るといいね。」
と言っても、
「そんなに都合よくは行かないよ。」
とさほど期待していません。


ただただ、息子が自分の望む道を進むことができればいいと願っているタイプです。


私が息子の国立医学部進学に対して多少誇るところがあるのに対して、家内にはそういったところがありません。


そんな家内も息子から手が離れ、今は人生を謳歌しています。
ここで一つ一つあげるのが面倒なくらい様々な活動をやっています。
泊まりで家を空けることもしょっちゅうです。
やっと彼女も自分が思うような毎日が送れるようになったんだなと思うと感慨一入です。


息子はというと、多少家内の天然を受け継いでいます。
真っ直ぐで正直な人間です。
人に優しくできるタイプだと思います。
人がいやがることを言わない、というのが幼なじみの評だそうです。


ただ、自分の息子のことながら、掴めていない点もいくつかあります。


医師になりたいとの思いはかなり強いようですが、どんな医師になりたいかについては、私には見えていません。私に見えなくても何の問題もないのですが、一応興味はあります。


過疎地や離島で仕事をしたいと言っていますが、一時の憧れなのか真に地域医療に貢献したいという思いが強いのか。


ちなみに、家内も息子も節約型ですので小金は貯めています。
ただ、大金には縁がなさそうです。笑



私は父親であるせいでしょうか、息子がどんな人生を送るかについてさほど気にとめていません。
私の日常の中での息子への関心は現時点では10バーセントぐらいでしょうか。
年々落ちていますね。
むしろ家内への関心の方が強いです。


私が築いて来たものを息子に引き継いで欲しいとほんの一瞬考えたことがありましたが、その思いを本人に伝えたことはありません。


自分の道は自分で切り拓いて欲しいと願っています。
この思いだけはものすごく強く、そのためのバックアップは必要があればするつもりです。



父親というのは、意外と子供との距離の取り方についていつも意識しているものです。
一緒にお風呂に入っていた小さい頃から常に考えていましたね。


年々、息子と接する時間が減っていますが、距離が遠くなったという感じはあまりしないですね。
ただ、私の後ろについてきていたのが、私より前を歩くようになったという気はします。


息子の逞しい背中を見ることが多くなったのが、ちょっぴり嬉しいです。