振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

息子の限界、父親の限界

息子には学力面の限界があったでしょうし、父親である私には経済面での限界がありました。


この点でクロスするところがなければ、息子は永遠に医学部に入学することができなかったはずです。


例外として学費が安い国公立であれば、親に問題はなく、ひとえに息子の問題だと言えます。



息子が最も難易度が易しい私立医学部群を受験していた場合、合格できる力があるということが医学部志望を決めた高1後半で言い切れたかどうか。


この時点ではこの辺りの偏差値には到達していたと思いますが、偏差値は必ずしも上がるわけではありませんから、確信的なことは言えなかったはずです。

つまり、最も合格しやすい大学のレベルまで達することができない可能性はそれなりにあったと言えます。


いつまで経っても医学部に全落ちという可能性はあったわけで、親としてはそれなりの覚悟をしておかないと行けないなと思いました。


特に浪人しての全落ちの場合は、私が息子の進路に口出しせざるを得ないだろうと腹を括っていました。



さて、まずは、裾野を広げることができるかどうかです。

これは親の資力の問題です。

最も易しいグループに合格した場合、息子を進学させることが経済的にできたかどうか。


現役の時は、それなりの難関大学を受験しましたので、学費の面では何とかなるレベルでした。

特待もありましたので余裕もありました。


それより易しい大学となると、それなりに学費の負担がかかります。



一方で息子のレベルが上がらず、にもかかわらずどうしても医学部に進学させてやりたいと思ったとき、一体どうしたことでしょう。



実は私は借金が苦手です。

今でも借金と言えば、精々がクレジットカードの支払いぐらいなのです。

これは借金とは言わないのかもしれませんが。


事業でもプライベートでも借金はありません。


しかし、学費が4000万円と言われると、ある程度借金するか他の支出を抑えることになったでしょうね。


自分のビジネスについて与信を残しておきたいと思っていましたが、どうしてもということであれは、息子のために使ってしまっていたかも知れません。


いや。私の性格を考えると、むしろ使っていたのでしょうね。



ところで、高額な学費の私立医学部の中で、唯一自宅から通えるところがありました。


もしこの大学に進学するのであれは、学費節減のために自宅から通ってもらうことになったかもしれません。



あれこれと考えたことについては、今では懐かしい思い出ですが、その時点では結構真剣なお話でした。


息子には余り話していませんでしたが、親は結構腹を括っていたと言えます。


息子の場合は、本当に様々なシチュエーションに対して対応策を考えていたものの、結局シンプルなケースに落ち着きました。


私は仕事の面でもあらゆるケースについて想定するタイプですが、考えれば考えるほど、上手く行くことが多いように思います。


あらゆる場面について想定することが、親にとって余裕につながり、その余裕が子供に伝染するのではなかろうかと思います。


そして大切なことは、シミュレーション仕切ったらもう迷わないということです。