振り返りの医学部受験

何年か前に息子が医学部受験を経験しました。受験中は何がなんだかわかりませんでしたが、今だからこそ「ああなるほどなあ」と思うところがあります。

成績は伸びるものなのか

高3になってから受験勉強を本格的に始めた場合、コツコツと勉強しているうちに受験本番までの間に偏差値が伸びることはままあります。

結構爆発することもあります。


1浪の場合どうかというと、一番いい成績を取りやすいのは5月頃の最初の模試です。

この時点では現役生が本格的に受験勉強を始めたばかりですから当然のことですね。


浪人生としてみると、この時点で現役と差がついていないようだとその後が苦しくなります。

差がついていなければ3月、4月をサボっていたことが原因ですね。


私は息子に、もし浪人する場合は、国立前期の翌日から勉強を開始するように。それができなければ浪人は絶対に認めない、浪人してもいい条件はたったそれだけだから、と強く言明していました。


私はしつこくない人間ですが、この点だけはしつこく言っていました。



私自身、随分昔のことですが、私学に行くつもりがなかったので、浪人した場合に備えて、国立受験日翌日から国立の発表まで勉強し続けていました。

毎日10時間以上はやっていました。

ここで勉強しなければ、浪人のアドバンテージを十分活かせません。


浪人の場合は、5月頃の時点でいい成績を取っていると、気分がよく、自分の勉強方法に自信が生まれ、現役の時とは比べ物にならない程勉強が進むことがあります。


そういう人は後半になっても伸び続けることができますね。

やはり勢いが必要です。



今成績が伸びていない人はどうするか。


現役の人はまだまだこれからだと思います。


では、浪人の場合はどうでしょうか。

今から一気に伸びるということはなかなか考えられません。


志望校に偏差値が足りない場合。


1つ考えられるのは単純に志望校を変えること。

国立の中での変更であればまだ何とかなります。

仮に私立医学部まで新たに考えなければならないとすると、ご両親との協議が今すぐ必要ですね。


もう1つあるのは、志望校を絞り、志望校対策をとことんやるというものです。

3~5程度の偏差値足らずであれば、何とかなるものです。


我が息子のパターンがこれですね。

ギリギリまで成績が伸びたという面もありますが、それにも限度があり、やはり徹底した志望校対策です。


私は勉強の中身についてはよくわかりません。

しかし、どういう戦略・戦術を取ればいいかについては、予備校や塾の先生方ほどではありませんが、それなりに息子にアドバイスができました。

何と言っても、息子の専属トレーナーのようなものでしたから。


一番よかったのは、息子が家内に似て素直な性格であったことです。

私のアドバイスはかなり参考にしていたと思います。


ちなみに、変な性格でも大学受験は突破できますが、素直な人は大学受験だけでなく一生伸び続けることができます。


さて話を戻します。

成績が伸びず、それでも私立医学部を視野に入れられない、あるいは私立医学部の合格も難しいというラストチャンスの受験生の場合どうするか。


2浪までは医学部以外に進む道が残されています。

特に国立・早慶であれば、何とかそこそこのところに就職ができます。

それ以上となると、望むところに就職するのはまず無理です。


こういったリスクを負ってでも医学部を目指そうとする人には是非頑張って欲しいと思います。

ただ、リスク分析ができない人は、玉砕することになります。

厳しいようですか、指摘せざるを得ない重要なポイントです。


医師になるかどうかより、充実した人生をどうやって送るかが大切なことです。

人生は一度しかありません。